【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「結婚おめでとうございます、先輩」
「ありがとう、英二」
みんなにこんなに祝ってもらえるなんて、本当に私は幸せだな。
* * *
それから半年後ーーー。
「恭平さん、どうですか?」
「似合うよ。とてもキレイだ」
「ありがとうございます。……恭平さんも、とても似合ってます」
「そうか?」
「はい。カッコイイです」
今日はとうとう待ちに待った私たちの結婚式だ。
嬉しい気持ちの反面、やっぱり少し不安もあるけど。 でもついに私たちは今日、本当に"夫婦"になるんだよね。
「じゃあ行こうか。そろそろ式が始まる」
「はい」
鏡に映る自分を見てると、なんだか別人みたい。
ウェディングドレスを着ている自分が、まだ信じられない。
でも私の昔からの夢がついに叶う時が来た。 小さい頃から夢見てた、好きな人と結婚という夢が。
そしてウェディングドレスを着るという夢が。それをついに叶えられる。
「……ねえ、お父さん」
お父さんの隣に立って静かに口を開いた。
「なんだ?」
「今日は来てくれてありがとう」
私の言葉に、お父さんは「なんだ。いきなり?」と私を見る。
「私ね、今すごく幸せよ」
「そうか」
お父さんと話をするのは、多分お父さんの誕生日以来だと思う。 お父さんは昔からあんまり話をする方ではなくて、割と無口な方だった。
お父さんとお母さんが離婚してからは時々、メールや電話で連絡を取ってはいたけど。
お父さんずっと、影では私の心配をしてくれていたみたいだった。
今思うと、お父さんとこうやって話をするのはすごく久しぶりな気がする。まさか結婚式に来てくれるなんて、思わなかった。