【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「結婚おめでとうございます、先輩」

「ありがとう、英二」

 みんなにこんなに祝ってもらえるなんて、本当に私は幸せだな。


* * *


それから半年後ーーー。

「恭平さん、どうですか?」

「似合うよ。とてもキレイだ」

「ありがとうございます。……恭平さんも、とても似合ってます」

「そうか?」

「はい。カッコイイです」 
 
 今日はとうとう待ちに待った私たちの結婚式だ。
 嬉しい気持ちの反面、やっぱり少し不安もあるけど。 でもついに私たちは今日、本当に"夫婦"になるんだよね。

「じゃあ行こうか。そろそろ式が始まる」

「はい」

 鏡に映る自分を見てると、なんだか別人みたい。
ウェディングドレスを着ている自分が、まだ信じられない。
 でも私の昔からの夢がついに叶う時が来た。 小さい頃から夢見てた、好きな人と結婚という夢が。
 そしてウェディングドレスを着るという夢が。それをついに叶えられる。

「……ねえ、お父さん」

 お父さんの隣に立って静かに口を開いた。

「なんだ?」

「今日は来てくれてありがとう」

 私の言葉に、お父さんは「なんだ。いきなり?」と私を見る。

「私ね、今すごく幸せよ」

「そうか」

 お父さんと話をするのは、多分お父さんの誕生日以来だと思う。 お父さんは昔からあんまり話をする方ではなくて、割と無口な方だった。
 お父さんとお母さんが離婚してからは時々、メールや電話で連絡を取ってはいたけど。 

 お父さんずっと、影では私の心配をしてくれていたみたいだった。
 今思うと、お父さんとこうやって話をするのはすごく久しぶりな気がする。まさか結婚式に来てくれるなんて、思わなかった。
< 250 / 251 >

この作品をシェア

pagetop