【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「先輩、どうぞ」
「ありがとう。人のおごりで飲むお酒って、こんなき美味しいのね」
「……先輩って、結構男前なんすね」
「は? 誰が男前だって?」
私のどこが男前なのよ!
「あ、いえ……なんでもないっす」
「そう? ほら、もたもたしてないで注ぎなさい」
「はいっ」
久しぶりに飲むお酒はすごく美味しくて、止まらなくなる。
「……うーん」
「先輩、飲み過ぎっすよ!もうそれくらいにしといた方がいいんじゃないっすか?」
あれからどのくらい飲んでいたのか、分からないくらい飲んでいる。
「うるさい……もっと注いで」
「先輩……飲み過ぎですって」
「もっと飲みたいのにー」
「ダメです。さ、帰りますよ先輩」
そんな英二に立たせられる私。
「ほら先輩、行きますよ」
「んーっ……」
「先輩、ほら行きますよ!」
渋々英二に支えられて、お店を出る。
「先輩、大丈夫ですか?」
「ん、大丈夫……」
「先輩、いくら俺のおごりとは言え、あれは飲み過ぎです」
「うるさい……今日はいっぱい飲みたかったのぉ」
「先輩、飲み過ぎは体に悪いですよ?」
まさか英二に説教されるなんて……。
「うるさいなあ。いいの……」
なんだろう、なんか悲しくなってきた。
「先輩……?」
「……いいの」
立ち止まった私を、英二が見つめる。
「先輩、どうしたんですか?」
英二にそう聞かれて「……なんでもないわ」と答えると、すぐさま「ウソっすね」と言われてしまう。