【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「え……?」
思わず英二を見つめる。
「本当はなんかあったんすよね?先輩」
「……なにもないよ。 仕事のことで、ちょっとストレス溜まってるだけだから」
本当にそう。実際は本当に、そうなの。
そんな私に向かって、英二は「先輩、ウソ付くのはもうやめにしませんか? 先輩になんかあったことくらい、俺も分かってるんですから」と言われてしまい、観念した。
「はあ……参ったなぁ。英二は私のこと、よく見てるのね」
「当たり前じゃないですか。俺は先輩のこと、ずっと見てたんですから」
「……え? ずっと?」
英二のその表情がなんだか真剣に見えてしまうのは、なぜだろう?
「本当は先輩には内緒にしとこうと思ったんすけど……やっぱりやめました」
「えっ……英二?」
英二に腕を引っ張られ、英二の元に引き寄せられる。
そして英二と目が合う。 その距離が近くて、キスが出来そうなくらいだ。
「俺、先輩が好きです」
「……えっ!?」
英二、アンタ今なんて……?
「先輩にはずっと内緒にしておこうと思ったんです。……心の中にこの気持ちを沈めておこうって、決めてたんですよ」
英二の気持ちに、私は全く気づいてもなかった。
「でもやっぱり出来ません。……俺はやっぱり、先輩が好きっす。もうこの気持ちを隠すことなんて、出来ないですよ」
「えっ、英二……」
「好きです、先輩」
英二は少し潤んだ目で私を見つめると、その細い体でで私を抱きしめた。
「英二、離して……痛いよ」
「っ……イヤです」
私はその後、何も言えなかった。