【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「まあ……それは、そうなんだけど」
「それとも、英二と向き合うのが怖いとか?」
そう聞かれて正直に、「まあ、それはあるよ。 でもそれだけじゃないの」と答えた。
「えっ?どういうことよ?」
「私今まで英二のことは、ただの部下だと思ってた。でも告白されてから、なんとなく上手く接っすることが出来なくなっちゃってさ。……なんとなくだけど、英二のこと傷つけたくないって思っちゃったんだよね」
私のメロンパンに視線を落とした沙織は、「それは、英二と付き合うってこと?」と問いかけてくる。
「分からない。……でも英二のことは、部下としか見れないっていうか、男としては見れないんだ」
「じゃあ正直に、付き合えないって言えばいいじゃないの。何をそんなに躊躇ってるのよ?」
沙織はそう言った後、私を見ながらコーヒーを飲み出す。
「分かんない。確かに英二はすごくいい人だと思う。でも仮にも、英二は私の部下だから、それ以上には見れないっていうか……」
そんな私に、沙織は「だったら尚更、ハッキリそう言うべきよ」と言ってくれる。
「……え?」
「そうやっていつまでも曖昧な態度とってると、英二が余計に傷付くだけよ。 英二のことを好きじゃないのなら、ハッキリとそう言うべきだと私は思うけど?」
「……うん」
やっぱり、沙織の言うべきだよね……。
「英二だって、アンタが英二を好きじゃないことくらい分かってるはずよ。 でもね、それでも好きだって言いたかったんじゃないの?」