【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「……なんで?」
「そんなの決まってるじゃない。アンタを好きだからでしょ」
え……?
「この際だから言うけど、アンタもいい加減彼氏くらい作ったら? 今時の二十五歳なんて、結婚してる人も少なくない訳だしさ」
「……まあ、そうなんだけど」
でも私には、気になる人がいるから……。課長のことが多分、好きなんだと思う。
「いい?アンタも私も、そろそろいい歳なんだから、恋愛の一つや二つ、しないと人生やっていけないわよ?」
沙織の言うことには、妙に説得力があるなといつも思う。
「……じゃあそういう沙織は、どうなのよ」
「私?私はちゃんと彼氏がいるわよ。今の彼とは結婚したいとも思ってるし、それなりにいい恋愛をしてるつもりよ?」
なるほど……。そもそもいい恋愛って、何なんだろう?
いい恋愛って、何を持っていい恋愛なんだろう?
「いい恋愛か……」
「そりゃあ私だって、もう二十五よ?恋愛の一つや二つ、したいと思うのが普通でしょ?」
「んー……そうかな」
そんな私に、沙織は「なによ。アンタは彼氏ほしくないの?」と聞いてくる。
「そりゃあ、彼氏は欲しいけど……」
恋愛だけが全てではいと、そう思う自分もどこかにいる。
「まあ英二と付き合うも付き合わないも、アンタ次第だけどね」
「……うん」
「じゃあ、私はもう戻るわね。お昼休み終わっちゃうから」
席を立った沙織と同時に、「あ、待って……私も行く」と席を立つ。
自分のデスクに座ると、斜め前に座る英二とぱちりと目が合った。
ドキッ……! ヤバい、今英二と目が合った?