【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「……私こそ、ありがとう」

「え?」

「こんな私のこと、好きになってくれて、本当にありがとう」

 私が英二に微笑みかけると、「はい。でも……」と私を見つめる。

「でも……なに?」

 英二は私を見つめると、「先輩のこと、まだ好きでいてもいいですか?」と問いかけてくる。

「……え?」

「俺、先輩のこと、正直まだ諦められなくて。……そのくらい、先輩のことが好きなんですよね。だから、まだ好きでいても……いいですか?」

 私は英二にそう言われて、なんて答えるか迷いながらも「……うん、いいよ。でもきっと、英二には私なんかよりもずっと、相応しい人が現れると思うよ?」と伝えた。

「じゃあそれまで先輩のこと、好きでいますね」

「……うん、分かった」

「ありがとうございます」

 わたしは「うん」と小さく頷くと、自分のデスクに座って、パソコンを開いた。

「あら、おはよう瑞紀」

「おはよう沙織。昨日はありがとう」

 出勤してきた沙織に挨拶すると、「本当よ。だから飲み過ぎるなって言ったじゃないの」と私に言った。

「……ごめん」

「まぁいいわ。今日はちゃんと出勤してきたから、見逃してあげる」

「ありがとう沙織」

 私の隣に座った沙織は、「正直、今日は来ないと思ってたわよ。あれだけ飲めば、二日酔いになってると思ってたしね」と言った。

「残念でしたぁ。ちゃんと出勤してきました」

「なによ、生意気ね」

 などと言っていた沙織だったが、「ま、アンタらしいわ」と笑っていた。
< 35 / 251 >

この作品をシェア

pagetop