【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


 瑞紀は多分知らないし、気付いていないと思うが、俺は瑞紀に惚れている。
 あのバーで会ったのも、実はあの時が初めてじゃない。 本当は瑞紀があのバーに通い始めた時からずっと、瑞紀を見ていた。

 初めて見た瑞紀の第一印象は"カワイイ"だった。お酒を飲む姿はやけに上品で、しかもカワイイ。
 おまけにお酒が入った瑞紀は、やけに色っぽくて、そこら辺の女なんかよりずっとイイ女だと思った。

 もちろん静香よりも。 だからあの日、俺は瑞紀に声をかけた。
 そのまま成り行きで瑞紀をホテルのベッドの上で抱いてしまった時、俺はすぐに瑞紀に惚れているのだと自覚した。
 瑞紀の全てが可愛くて、愛おしくて、瑞紀の全てをほしいと思った。

 もちろんあの時は静香のことも好きだったし、結婚したいとも思った。
 でも瑞紀は、それ以上の感情だった。 静香の時よりも、ずっと瑞紀が欲しいと思った。
 瑞紀は俺の部下だけど、このままじゃ本気で瑞紀を愛してしまいそうで怖い。

 でも瑞紀は俺の部下で、俺は瑞紀の上司。 俺たちの関係は、それ以上でもそれ以下でもないって、ことだ。

「……はあ」

 一体なにをしてるんだ、俺は……。あの時"身体だけの関係"と言ったことを、今頃になって後悔している。
 俺はなぜ、あんなことを言ってしまったのだろうか。 きっと、それで瑞紀を傷つけてしまったかもしれない。

 最近瑞紀は、なんだか元気がない。 仕事中でも上の空な時があるし、ずっとため息をばかりついている。
 おまけに普段は、滅多にしないミスをしたりする。 瑞紀が元気のない原因は、きっと俺にある。
 最近色々と忙しくて、瑞紀のことをちゃんと見てなかったせいかもしれない。
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