【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
ガチャと家のカギを開けて中に入ると、部屋の中は静まり返っていた。
「……はあ」
とため息をつき、ソファーに腰掛けネクタイを緩める。
「……瑞紀」
今無性に、瑞紀に会いたい。
「ああ……くそっ」
なんで俺は、瑞紀のことをこんなに苦しめてるんだろうか。
好きな女を苦しめている俺は、最低だな。
瑞紀が好きで仕方ないのに、俺はいつも瑞紀を傷つけてばかりだ。
どうしたら、俺は瑞紀を傷つけずに済むのだろうか……。どうしたら瑞紀に悲しい想いをさせずに、済むのだろうか。
考えてみても答えなんて出なくて、結局どうしたらいいのか分からない。
俺はもう三十三だ。 一度静香との結婚を経験したけれど、結局すれ違ってばかりで上手くはいかなかった。
確かに静香のことは好きだった。 結婚したいと思ったから、結婚もした。
でも結婚すると結局、考え方も価値観も違ってしまう。俺と静香はきっとそのせいで、すれ違ったんだと思う。
子供だってほしいと思ったけれど、結局は出来なくて。 そのせいで俺は、静香に悲しい思いをさせて、静香のことを傷つけてしまった。
今思うと静香には、すごく大変な想いをさせてしまったんだな……。
もし静香が俺と結婚してなければ、静香の人生は180°変わっていたかもしれない。 俺が、静香の人生を壊したも同然だ。
だから静香には、本当に申し訳ないことをしたと思ってる。
でも離婚してこうやって一人で暮らしてると、本当にあの時、静香がいてくれてよかったと思った。
だけど俺は、静香と結婚したことを後悔していない。 でも今さら別れた元妻とは復縁するつもりはないし、今度も会うつもりもない。