【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


  今の俺には、瑞紀だけがいればそれだけでいいんだ。
 
「……はあ」

 深くため息を吐くと、俺のスマホがブーッブーッ……とポケットの中で聞こえてくる。

「……はい」

 俺はソファーに寝転びながら、その電話に出た。

「もしもし……課長、ですか?」

「……瑞紀か?」

 電話を掛けてきたのは、瑞紀だった。

「はい。……私です」

 俺は電話越しの瑞紀に、「どうした……? なんかあったのか?」と、問いかける。

「……あの、今日はなんで帰ったんですか?」

「え……?」

 俺にそう言った瑞紀の声が、なんとなく悲しそうに聞こえる。

「……もしかして、あの電話の人、ですか?」

「なんだ。気になるのか?」

 そう聞くと、瑞紀は素直になったのか「……はい。まあ、気になります」と答えた。

「分かった。 後で話すよ」

「……はい」

 俺は「悪いな、今日はもう疲れたから俺寝るよ。今日のことは、明日会社で話すから」と瑞紀に伝えた。

「分かりました」

「悪いな。……おやすみ」

「はい。おやすみ、なさい」

 俺は電話を切ると、スマホををテーブルの上に置いた。

「……瑞紀」

 俺はまた、瑞紀のことを悲しませてしまったのだろうか……。
 さっきの電話越しでの瑞紀の声、なんだか悲しそうだった気がした。

 もしかして瑞紀……静香と俺の仲を誤解してるのか? 静香が俺の恋人とか、思ってるのか?
 もし本当に誤解させてるとしたら、申し訳ない。
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