【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「やっぱりって……やっぱ何かあったのね、アンタ」

「うん……まあ」

 やっぱり沙織には、正直に話した方がいいよね……。

「なに?好きな人でも、出来た?」

「好きっていうか……。ちょっと、気になるんだ」

「気になるって?」

「その人のことが。何ていうか……その人の前だとドキドキしたり、胸が苦しくなったりするの」

 すると私は、「そんなの当たり前じゃない。恋って言うのは、そういうものなのよ」と言う。

「え……?」

「いい瑞紀?恋って言うのはね、ドキドキしたり胸が苦しくなったりするのが、普通なのよ」

「……普通?」

 やっぱり、そうなのかな……。

「そう、普通よ。だからそんなことで、悩まなくていいのよ」

「……うん。ありがとう、沙織」

「気にしないで。 さ、仕事しましょ」

「うん」

 私はしばらくの間、頭の中が課長のことでいっぱいになっていた。

「英二、これ三部コピーしてくれる?」

「あ、はい」

 英二にコピーをお願いしていると、沙織が横から「ねぇ、瑞紀」と名前を呼ぶ。

「なに?」

「なんかさっきから課長、瑞紀のことジーッと見てるんだけど」

「えっ?」

 課長が私のことを……? どうして?

「……まあ、私の気のせいかもしれないけどね」

 私は課長のことを気にしながら、その日一日の仕事を終わらせた。

「じゃあね瑞紀。私、もう帰るね」

「えっ。もう帰るの?」

「ごめんね。今日彼氏とデートなんだ」

「マジ?……分かった。じゃあね」

 沙織が帰った後、私は一人はため息を吐く。

「瑞紀」

「え? か、課長……!」

 目の前には、課長がいた。

「まだ帰ってなかったのか?」

「あ……はい」

「なあ、瑞紀」

「……はい?」

「覚えてるか?昨日俺が、言ったこと」
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