【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「いい?アンタもうすぐ二十六なんだから、いい人と結婚して素敵に暮らしなさいね。……それが私たちの幸せなんだからさ」
幸せ……か。
「素敵な旦那さんが現れるといいわね。 あ、でもその前に彼氏作らないとね」
「うるさいよ。私だっていつかは、結婚するわよ。……でもその前に、傷つくことの意味をちゃんと見つけたい」
私がそう言うと、沙織は「アンタなら大丈夫よ。私が保障するわ」と励ましてくれる。
「ありがとう。私、頑張るよ」
「よし、もう大丈夫そうね。じゃあ私はもう寝るわね。 おやすみ」
「うん……おやすみ」
すぐに電話を切り、ベッドに横たわる。
《課長、会いたいです》
しばらくスマホの画面を眺めた後、深呼吸をして課長にそうメールを打った。
はあ……ドキドキする。
すると、返事はすぐに返ってきた。
《悪い。今日上司と飲み会なんだ》
「……そっか」
じゃあ、今日は会えないんだ……。
《分かりました》
私は返す言葉が見つからなくて、その一言を返した。
《ごめんな》
課長からの返事を見た私は、胸が締め付けられるくらい痛かった。
【ごめん】なんて言葉、聞きたくない。
《いえ、大丈夫です》
でもそんな弱音を吐いた所で課長に会える訳じゃないから、結局強がるしかない。
《明日なら時間作れるけど、どうだ?》
「明日……か」
私、明日まで待てない気がするけど……。
《分かりました》
課長と向き合う自信なんてないけど、今向き合わなきゃ、きっとダメになると思う。
だからここで一歩、勇気を踏み出してみよう。
《じゃあまた明日な。おやすみ》
《はい。おやすみなさい》
スマホを閉じて枕に顔を埋めると、浮かんでくるのは課長の顔だった。