【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
課長、私課長に会いたい。 課長のその腕に、抱きしめられたいし、その身体に包み込まれたい。
その日私は、課長の顔を浮かべながら眠りについた……。
* * *
「おはよう、沙織」
「あらおはよう、瑞紀。今日はずいぶん遅いのね」
「……うん、まあ」
そんな私に、沙織は「まさか、寝坊でもした?」と聞いてくる。
「えっ……なんで分かったの?」
「やっぱりね。アンタのことだから、そうだろうと思った」
まさか沙織って……。
「……エスパー?」
「な訳ないでしょ。アンタが遅刻するとしたら、寝坊か化粧に時間をかけるかのどっちかでしょ」
「……その通りです」
「ほらね。私はアンタのこと、なんでも知ってるんだから」
「……なんか、沙織保護者みたい」
私が沙織にそう言うと、沙織は「まあ私は、アンタの保護者みたいなもんだからね」と返してくる。
確かに、沙織が保護者だったら私、厳しくて逆らえなさそう……。
「言ったでしょ。アンタのことは、私が一番よく知ってるって」
「やっぱり、保護者だね」
「言っとくけど、保護者になる気はないからね?」
と言いつつ、沙織はお母さんみたいな存在でもある。力強くて、頼りになるし。
「私はアンタのお母さんじゃないけど、アンタが心配だから放っておけないの」
「……心配って」
やっぱり母親みたい……。
「でもアンタのこと心配してあげてるのは、アンタが傷つく姿を見たくないからだからね」
「……え?」
「アンタはまだ大人になりきれてないのよ。だから心配で仕方ないの」
「大人になりきれてない?」
「そう。アンタを見てるとまだまだ子供みたいで、逆に私が心配になるのよ。アンタはもう少し大人にならなきゃ」
大人になるか……。難しいな。