【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「嬉しいです」

 彼はそう言って、優しく笑った。

「……もうお別れ、なんですね」

「そうですね」

「また会えると、いいですね」

「大丈夫です。また会えますよ」

「え?本当……ですか?」

「ええ。近いうちに゙まだ会いますから、大丈夫です」

 彼はそう言って小さく笑うと、私の前から消えていったーーー。




「……え?」

 まさかーーー。

 そして私は、その時思った。

「近いうちにまた会います、からって……」

 もしかして……こういうこと、だったの!?
 え……? ということは、彼は私がここで働いていることを……知ってたってこと?

 え……ウソ。 いや、ありえない、ありえない!
 じゃああの人、私と再会することを知ってたから、私を抱いた……ってこと?

「……信じられない」

 まさかあの時のあの人が、この部署の"課長"だなんて……。
 課長が新しく赴任してくると聞いたのは、つい昨日のことだった。

 前の課長が、会社内で不正な賄賂(わいろ)を受け取っていたことが会社内の内部告発により発覚し、前の課長は"自主退職をする"という処分を下された。

 私的には、課長が居なくなってくれてよかったと思ってるし、ホッとしてるけど、今はそんなことを思っている場合じゃない。
 だってーーー。
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