【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


 私がそう聞くと、英二は唇を噛み締め、表情を変えた。 そして「はい!」と返事をした。

「よし、それでいいわ。 とにかく、サービスが悪いと言われたなら、サービスをもっと改善するべきね」

「でも、どうやって……?」

「後は自分で考えなさい。……それを考えるのも、アンタの仕事よ」

「でもっ」

「大丈夫よ。英二、アンタなら出来る。……だって英二は、私の信頼出来る部下だから。何かあったら、私はアドバイスは出来るから」

「先輩……ありがとうございます」

「お礼を言うのは、まだ早いわ。 成功したら、お礼してね」

「はいっ!」

 なぜか英二の笑顔を見る度に、胸の奥が焼けるように痛くなる。
 それはきっと、英二の私への想いを知ってしまったからかもしれない。

「……英二、ごめんね」

「なにがですか? さっきのことなら、全然いいですよ?」

 そう言われたから、私はつい「……そうじゃないの。色々迷惑かけて、ごめん」と告げた。

「いいえ。ありがとうございます」

 英二の気持ちを知ってしまった以上、もう背を向けることは、出来そうにない。
 英二には本当に悪いと思ってるけど、私が好きなのは……課長だから。 

 課長も、私で好きでいてくれてる。 ちゃんと課長とお互いに想い合ってるのに、関係が複雑すぎて、よく分からなくなっている。
 私たちの関係って、やっぱり"身体"だけ……なのかな?

 私も課長に好きだって伝えたし、課長だって私のことを愛してるって言ってくれたから、私はそれを信じたいと思ってる。
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