【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「私と課長の距離は遠くて、でも私たちの関係は、一番近いはずなのに……」

 近いはずなのに……。

「……そうだな」

「でも一番近い関係でも、所詮身体だけでしか繋がってない。……そう思うと、すごく不安でたまらなくて、課長のことを考える度に辛くなります」

 私はあまりにも自分が情けなくて、課長の顔が見られなかった。
 こんなことでしか課長のそばにいられない自分が、恥ずかしいと思ってしまった。
 私はやっぱり、課長のそばにいる資格なんて、ないのかな……。そう思う度に、不安が募ってしまう。

「……それって、俺が瑞紀を苦しめてるってことか?」

 課長の瞳が、私の瞳をジーッと見つめる。

「違うんです。……私が課長のそばにいられなくなるんじゃないかって思って。そうしたら、なんか悲しくなって……」

 自分でも何を言ってるんだろうって思った。 さっきから私、ずっと訳の分からないことばかりを言ってる。
 だからそうやってまた、課長を困らせてしまう。

「なに言ってるんだ。俺が瑞紀のそばから離れることはないし、瑞紀が俺のそばから離れることも、絶対にない」

 課長は私の頭を撫でると、軽く抱き寄せた。

「……本当、ですか?」

「本当だ。だから瑞紀は何も心配しなくていいし、不安がらなくていい。……瑞紀はずっと、俺のそばにいるだけでいい」

 なぜだろう……。課長のその優しい言葉を聞くだけで不安がなくなるし、安心だってできる気がする。
 さっきまでずっと不安で仕方がなかったのに、今は課長のそばにいるだけで、こんなにも安心してしまうんだ。

「かっ、ちょ……」

 なんだか急に、涙が止まらなくなってきた。泣いちゃイケないとは分かってるのに、涙が止まらないんだ。

「愛してるよ、瑞紀。だからこれからも、ずっと一緒にいよう」

「……はい」
< 67 / 251 >

この作品をシェア

pagetop