【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「えっ。てっきりバカンスにしか興味ないのかと思った」
「失礼ね。私だってバカンス以外のことだってちゃんと、興味あるわよ」
「例えば?」
沙織は少し「例えば? そうねえ」と考えこむと、「やっぱり結婚とかかな」と答える。
「結婚?」
「え?なによ?」
「まさか沙織の口から、結婚って言葉が出てくるとは……」
沙織って結構男勝りな所があるから、あんまり結婚とかに興味なさそうなのに、まさか結婚に興味があるとは。
「当たり前じゃないの。私だってもうすぐ二十六なのよ?もちろん結婚くらいしたいわ」
「……ふーん」
やっぱり女は、結婚したいよね。
「そういうアンタは、どうなのよ?」
「えっ?」
沙織に「結婚よ、結婚」と言われ、「……結婚ね」と考えてみる。
私もいつかは、結婚できればいいなとは、思うけど。
「なによ。したくないの?」
「違うの。そういう訳じゃないんだ。……ただ私もいつかは、運命の相手と結婚できればいいかなぁなんて考えてただけ」
「ほらね。やっぱり女はいつになっても、結婚を望むのよ」
「……そうだよね」
「もちろん私も同じよ?私も早く結婚して、勝ち組に入りたいもの」
私は沙織に、「じゃあ航太くんと結婚するの?」と問いかけてみる。
「バカねぇ、アンタ」
「え?」
バカってなによ……?
「彼氏は私との結婚を考えたこと、多分一度もないと思う」
「えっ、なんで?」
「私は恋愛の対象にはなる。……でもいざ結婚するってなった時に、夫婦として上手くいくかってことを考えたら、上手くいくとは限らないってことを、彼は知ってるのよ」
「……ふーん」
「結婚って言うのはね、自分の人生の中で起きる、大切な選択なのよ。……だから結婚する相手は自分でよく見極めなくちゃダメなの。失敗しないためにもね」
見極めか……。