【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
■立ちはだかる壁。
* * *



「あなたが、佐倉瑞紀さん?」

「え? あ、はい。そうですが……」

 それから二週間ほどが経ったある日。仕事を終えて帰ろうとした時、誰かに呼び止められた。

「よかった。あなたが佐倉さんね?」

「あの……」

 この美人は誰? 私の知り合いに、こんな人いたかな。

「あら失礼。自己紹介がまだだったわね。……初めまして。私、藤堂静香と申します」

「え……?」

 この人が、藤堂さん……? ってことは……。

「……課長の元奥様、ですか?」

 私がそう問いかけると、藤堂さんは嫌味ったらしく「そうよ。あなたも知っての通り、恭平さんの゙元妻゙よ」と笑った。

「元奥様が一体、私になんの用ですか?」

 そう問いかけると、藤堂さんは私に「恭平さんのことでね、あなたに話があるの」と告げられた。

「……話?」

「ええ。 あ、そうだ。夕飯まだかしら?」

「……え?」

「これから一緒に食事でもどう? この近くにね、美味しいお店があるの」

 私に話って……一体何なのだろうか。 もしかして、課長のことを諦めてくれとか、そう言いたいの……?
 でも、藤堂さんのことを知れるチャンスだと思い、私は「はい。ぜひ」と返事をした。

「決まりね。 早速行きましょう。話は食べながらするわ」

「……はい」

 私はただ無言で、藤堂さんの後を着いて行った。
 でもいざ藤堂さんという存在に直接会うと、すごくキレイな人だなと純粋に思った。 キレイで背も高くて、スタイルもいいし。

 おまけにキレイなストレートの黒髪で、歩く仕草も堂々としていて、カッコイイと感じる。
 どっちかと言えば、可愛いよりもキレイな人だ。藤堂さんは、私なんかよりずっとキレイ。
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