【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
静香さんは私に「若いなんて羨ましいわ」と微笑みかける。
「そんなことありません。もうすぐ二十六ですし」
「あら、若いっていいわよ」
「お待たせいたしました。シャンパンでございます」
藤堂さんがそう呟いた時、ちょうどシャンパンが私たちの前に運ばれてきた。
「どうぞ、佐倉さん」
「……ありがとうございます」
静香さんは美味しそうににシャンパンを飲むと、また口を開いた。
「ちなみに私は、もう三十四よ。随分、おばさんになったわ」
「……そんなことありません。静香さんも充分、若く見えます」
「あら、ありがとう。 そう言ってもらえて嬉しいわ」
嬉しそうに微笑む藤堂さんを見ながら、私は「少なくとも私には、あなたがとても若く見えます」と告げた。
「そうかしら?ありがとう。……所で、佐倉さん」
シャンパンをテーブルに置いた藤堂さんが、私に真剣な眼差しを向ける。
「……なんですか?」
「あなたと彼は、一体どういう関係……なのかしら?」
そう聞かれたので、私は「ただの上司と部下です」と答えた。
「本当に、そうなのかしら? 恭平さんは随分、あなたに執着してるみたいだけど……あなたが好きなのかしら?」
静香さんが私をジッと見つめるせいか、妙な緊張感が走る。
「……少なくとも、私が課長を好きなのは事実です」
「そう」
「課長も私のこと、好きだと言ってくれています」
「え?恭平さんが……?」
本当に?というような顔で、私を見る藤堂さん。
「……はい。課長、言ってましたよ」
「言ってたって、何を?」
「あなたには、悪いことをしたと。 課長はあなたを傷つけてしまったことを、申し訳ないと思ってます」
私がそう告げると、藤堂さんは唇を噛み締め「そんな……恭平さんは離婚する時、私のことを嫌いと言ったわ」と私に言った。