【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
私が藤堂さんにそう告げると、藤堂さんは私を睨みつけ、「いい加減にしてくれる?……いい?恭平さんは別れてもらうから」と顔を近付けられる。
「イヤです。私は絶対に別れませんから。……すみません、失礼します」
私が藤堂さんにそう告げると、カバンを持ちそのままお店を飛び出した。
「課長……会いたい」
課長に早く会いたい。課長に触れてほしい。抱きしめてほしい。
「敵う訳、ないじゃん……」
あんな人がいたら、私は到底敵わない。あの人の方が、強いと感じた。
そう思った時だったーーー。
「あら、瑞紀……?」
「……沙織?」
沙織が私の前に歩いてきた。
「どうしたのこんな所で。なんかあったの?」
「っ、沙織……」
私は沙織に抱き着いた。
「瑞紀、どうしたの。大丈夫?」
「私……。私ね……」
上手く言葉が出ない私に、沙織は優しく「大丈夫よ。話なら私が聞いてあげるから。 だからゆっくりでいいから、話してみなさい」と言ってくれる。
「……私は、どうしたらいい?」
「え……?」
「私、幸せになっちゃいけないの?」
私が沙織にそう言うと、沙織は「なに言ってんのよ。幸せになっちゃイケない訳がないでしょ? なんなら、人間は幸せになるべき権利を持ってるんだから、幸せになるべきなのよ」と言ってくれる。
「……いいんだ。幸せになっても」
「当たり前でしょ。この世の中に幸せになっちゃイケない人なんて、いないのよ」
「っ……ありがとう」
そうだよね。私、幸せになってもいいんだよね?
私が幸せになっちゃイケないなんて、そんなこと誰が決めたの?
私は、課長と幸せになりたい。私は課長のそばにいたい。
課長を誰よりも愛してるのは、私だ。