【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
□課長と私の、微妙な距離。
「課長、これ次の会議の資料です。間違ってないかの、確認をお願いしたいのですが……」
「はい。分かりました」
私はそれから、普通を装いながら仕事をしている。
あの後は、課長と別に何事もなく過ごせているからいいのだけど、正直課長と目が合うとドキッとしてしまう。
ハッキリ言って、ものすごく気まずくてしょうがないけど、でもこれは仕事上関係だ。
もうしょうがないと、割り切ることにした。 公私を分けなきゃ、みんなに怪しまれるしね……。
「これでいいでしょう。 ではコピーして、皆さんに配布してください」
「はい」
会社での課長は、ものすごく真面目な人だ。 仕事も出来て、みんなから信頼されている。
おまけにカッコよくて、しかも誰にでも優しくて。 ……私は、あんなに素敵な男性に抱かれたんだ。
まだ実感はしてないけど、彼にまた抱かれたいと思ったのはきっと好奇心からなんだろうな。
課長に抱かれたあの日、部屋の中で彼のことについてずっと考えていた。
そしてその時思ったのは、また彼に"抱かれたい"という気持ちだった。
でもあの夜のことは、私の胸の中にひっそりと閉まっておこう。 そう決めていた矢先、彼がここにやってきたのだ。
すごくビックリして、瞬きすら出来なかった。
゙開いた口が塞がらない゙とは、きっとこういうことを言うのだろうと、この時初めて思った。
最初は気まずくてしょうがなかったけど、あの後から課長も公私を区別してくれているのか、みんながいる前では余計なことは話してこない。
まあ話したら、あの夜のことを思い出してしまいそうだし。
今はちゃんと公私を区別して、自分の仕事はちゃんとこなしてるけど、私は自分の仕事をするだけ。