【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。

□ありがたい存在。

「……ね、沙織」

「ん？」

「私が今から話すこと、真剣に聞いてほしいんだ。……歩きながらでも、いいかな」

「うん、いいよ」

　私は歩きながら、ゆっくりと口を開いた。

「……驚かないで、聞いてほしいんだけどさ」

「なによ。急に改まっちゃって」

「実は私ね……課長のことが好きなの」

　私がそう告げると、沙織は何も言わずに黙っていた。

「この前沙織に話した、身体の関係がある人って……実は課長のことなの」

　私がそう話しても、沙織はずっと口を閉ざしたまま私の話を聞いてくれている。

「課長も私のことを好きでいてくれて、私を愛してくれてるの」

　なんか、この後の言葉を言うのがとても怖い。でも、沙織には言わなきゃって思ってたから、言わないと。

「それでね。……私、課長と付き合ってるの」

「……ふーん。で？」

「本当は沙織には、もっと早く話しておくべきだったんだと思うんだ。　でも話すのが怖くて、なかなか言い出せなかったんだ。……ずっと言えなくて、ごめんね」

　私が沙織にそう告げた後、沙織は「やっぱりね」とだけ答えた。

「え……？」

　やっぱりって……？

「言っとくけど。私、とっくの昔から勘付いてたよ。　そうなんじゃないかって、薄々気付いてたしね」

「えっ！？……そうなの？」

　やっぱり沙織は、勘が鋭かった…。

「アンタ、私を誰だと思ってんの？私意外と勘が鋭いの。アンタが課長のこと好きだってことくらい、とっくに気付いてたよ。……まあアンタは元々、分かりやすいって言うのもあるけどね」

「えっ……そうかな？」

「アンタからあの話を聞いた時、すぐに課長だって分かったよ。　課長も何度かアンタのこと、チラチラ見てたしね」

「え？」

「それを見て完全に確信した」

「……そうなんだ。知らなかった」