【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


 まさか沙織に、気付かれていたなんて……。気付きもしなかった。

「前に言ったでしょ。私は、アンタのことならなんでも分かるってね」

「えっ……?」

 じゃあ沙織があんなことを言ったのは、もう私と課長の仲を知っていたから……?

「私はもうアンタと、四年もいるのよ? アンタのことなんか、顔見なくても何考えてるかくらい、分かるわよ」

「……沙織」

 沙織は私の肩を叩くと、「言っとくけど私は、アンタたちのことは、別に反対してないから」と言ってくれた。

「え? 本当に……?」

「恋愛なんて自由だもの。誰が誰と恋愛しようが、私には関係ないもの」

「……うん。まあ、それは分かるけど」
 
 そんな私に、沙織は「それに私はね?」と私の顔を見る。

「……ん?」

「アンタが幸せになってくれれば、それでいいのよ。他に別に何も求めたりしてないもの」

「……沙織、ありがとう」

 沙織ってなんでこんなに優しいのかな……。いつも自分のことより、私のことを優先させてくれて。
 本当に私って、いい友達を持ったなぁと思う。沙織がもしいてくれなかったら私、きっと今頃幸せになんてなってなかったかもしれない。
 沙織がいたからこそ、私は色んなことが乗り越えられたのかなって思う。

 "幸せになるのに条件なんていらない"
 昔沙織が、そんなことを言っていたのを思い出した。

「男と付き合うのに条件なんて気にしてたら、いつまで経っても、幸せになんてなれないわよ」

 今までの私なら、男の人と付き合うのに、カッコイイ人がいいとか、性格が優しい人がいいとか。そんなことばかりを気にしていた。
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