【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「……さ、支度しろ。出かけるぞ」
「え? 出かけるって……?」
え? どこに……?
「いいから、早く着替えてこい」
「はい……分かりました」
課長に促され、急いで服に着替えた私は、「課長、お待たせしました」とリビングに行く。
「よし、じゃあ行くか」
「はい。……えっ、課長?どこ行くんですか?」
そう聞くと、課長は「それは着いてからのお楽しみだ。行くぞ」と玄関で靴を履く。
「は、はい……」
私も靴を履き、家を出る。
そもそも、一体どこに行くんだろう……?
「さ、乗れ」
「はい?」
駐車場に着くなり、課長が助手席のドアを開け、私に乗るように促す。
「え? 乗るんですか?」
「いいから、さっさと乗れ」
「……あ、はい」
促され、車の助手席に乗り込むと、課長は車のエンジンを掛け車を走らせた。
「行くぞ」
「は、はい」
「何緊張してんだよ。 いつも通り、リラックスしてればいい」
「……は、はい」
訳も分からないまま、車を走らせる課長。行き先も告げずに、ただひたすら車を走らせてる課長の横顔は、なんだか別人みたいでさらにカッコイイと思った。
課長って、運転する時こんな表情するんだ。
課長の新たな一面を見つけたけど、課長と二人きりの車内には、会話もなくただクラシックだけが流れていた。
「……あの、課長?」
「ん?」
「これから、どこに行くんですか?」
私がそう聞くと、課長は「秘密って言っただろ。着いてからのお楽しみだ」と言ってはぐらかす。
「ええ……気になります」
「そのうち、分かるよ」
「ええ。教えてくださいよ」
わざわざ仕事休をみにしてまで、行く所ってどこだろう……?