【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「ダメだ。着いてからのお楽しみ」
「……課長って、意外と意地悪なんですね」
「そういう訳じゃないよ。 ただビックリさせたいだけ」
え?どういうこと……? ビックリって?
「ま、気楽に待ってて」
「……は、はい」
その後はただ静かに、音楽だけが流れていた。
「ん、着いたぞ」
「え? あ、はい……」
車のドアを降りると、そこには……。
「うわあ……。キレイ……!」
畑一面のヒマワリ畑が広がっていた。
「だろ? ここ、俺の秘密基地なんだ」
ヒマワリ畑を眺めながら、課長が言った。
「秘密基地……ですか?」
「ああ。小さい頃、よく来たんだ」
「そうなんですか?」
なんで私に、ここを?
「ここさ……いつか本当に大事な人が出来た時、その人を連れてこようって思ってたんだ」
「……え?」
そう言った課長は、ヒマワリ畑の中を静かに歩きだした。
「え? 課長?」
「瑞紀も来いよ」
「あ、はい」
私は課長の後を着いていくように、歩き出す。
「……なあ、瑞紀」
「はい?」
「俺は、まだまだ未熟だ。……でも瑞紀を想う気持ちだけは、誰にも負けないつもりだ」
繋がれた手が温かくて、そのまま課長と目が合う。
「俺もそんなに強い人間じゃない。でも瑞紀を幸せにしたいと思ってる。……だから、ずっとそばにいてほしい」
課長は、私をギュっと抱きしめてくれる。
「……誰にでも、弱い所はあります」
「え?」
「私にだって、弱い所はあります。……だからそれも含めて、課長のそばにいたいです」