【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
私が沙織に微笑むと、沙織は「私はね、アンタに幸せになってほしいのよ。確かに結婚することも大事かもしれないけど。 一番大事なのは、アンタを心から愛してくれる人がいることなのよ」と笑ってくれていた。
「……え?」
「私はね、アンタのことをずーっと見てきたから分かるのよ。……アンタはたくさん泣いて、たくさん傷ついてきたから、恋に臆病になってるのよ」
臆病……。そうだ、私はずっと臆病だった。
恋愛で傷付いては泣いて、そんな恋愛を何回もしてきたけど、今回は違う。
私は課長に出会って、強くなった気がする。
「……私ね、本当はね」
「ん?」
「私本当は、課長を好きになるのが怖かったんだ。課長と一緒にいるうちに惹かれてる自分がいて、でも日に日に課長を好きになっていく自分が、すごく怖くなって……。ずっと一緒にいたいのに、辛くなりそうで……不安だったんだ」
沙織に思いの丈を話すと、なんかスッキリした気がした。 ためてたものが吐き出されて、楽になった気がする。
「……そんなの、当たり前じゃないの」
「え……?」
「人間誰しも、恋に傷つかない人なんて誰もいないのよ。……それぞれが、それぞれの悩みを抱えて生きてるんだから」
そうだよね……。それぞれの悩みがあって、当然だよね。
「沙織もあるの?悩みとか」
「当たり前じゃない。私だってたくさん傷ついてきたし、たくさん泣いたもの。……言ったでしょ?恋に傷つかない人なんて、いないって」
「……うん、そうだよね」
「私だって辛い恋、してたし。……それでも好きな人とだったら、一緒にいたいと思うのよ」
私だって課長と、一緒にいたい。