【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「アンタが課長を好きなように、私も彼が好きなのよ。……私も彼の全てを受け入れたいって、思ってるし」
「そっか。 そうだよね」
沙織だって私と同じ人間であって、同じ一人の女性なんだもん。 沙織にだって辛い恋の一つや二つ、あるよね……。
「アンタと私って、本当に似た者同士ね」
「え?」
「実は私さ、今気になってる人いるんだよね」
「……気になってる人?」
え? 沙織の気になる人って……誰?
「誰?気になる人って……」
え? ということは……。もしかして沙織、彼氏と別れたってこと?
「誰にも言わないでよ?」
「うん、もちろん」
「……営業部の村木さん」
「えっ。……ええっ!?」
村木って、あの村木さん!? 確か課長と仲がよくて、二人ででよく一緒にいる姿を見かけることがある。
その時の課長はすごく楽しそうで、村木さんとは気が会う人なんだと、思った。 部署が違うから、たまにしか会わないけど。
でもでも、まさか沙織が村木さんのことを狙ってたなんて……。
え? じゃあやっぱり彼氏は……?
「えっ!?じゃ、じゃあ彼氏は?」
「そんなの、とっくに別れたわよ」
「な、なんで!?」
別れた理由を聞くと、「すれ違い、かな」と淡々と答える沙織。
「すれ違い……?」
「うん。私も彼も最近、お互い忙しくてなかなか会えなかったのよ。連絡も取れなくなって。そしたら音信不通になっちゃってね。……で、別れようって話になって、お互い納得して別れたの」
「……そうだったんだ」
私、そんなことも知らなかった。 まさか、別れてたなんて……。