【改訂版】いらくさの家
第11話
10月2日の午後2時過ぎであった。
ところ変わって、JR横浜駅西口にある広場にて…
この日、奈美と三田尻さんの息子さんは挙式披露宴の打ち合わせをする予定であった。
待ち合わせ時刻は、正午であった。
三田尻さんの息子さんは、待ち合わせ時間の30分前に広場に到着した。
時計のはりは、午後1時をさした。
三田尻さんの息子さんは、ものすごく困り果てた。
遅いなぁ…
奈美はどこへ行ったのかなぁ…
時計のはりは、午後2時半になった。
三田尻さんの息子さんは、奈美に対して次のメッセージを打ったあとメールを送った。
『職場からピンチヒッターで来てくれと言われたので、打ち合わせはまた今度にしよう…』
それから数分後に、奈美からメールが届いた。
『そうね…また今度でもいいわ…』
10月8日頃であった。
三田尻さんの息子さんは、奈美に対してより強い不信感を抱くようになった。
もしかしたら…
奈美は…
チャラい男と遊びに行ったかもしれない…
ダンナであるぼくのことをグロウしたから、許さない…
そう思い込んでいた時であった。
三田尻さんの息子さんのスマホにトクメイキボウと書かれたメールが届いた。
メールには、奈美にストーカーしているチャラい男が分かった…と書かれていた。
それから5分後に、またトクメイキボウのメールが届いた。
それによると、奈美にストーカーしているチャラい男はコウスケであると書かれていた。
コウスケが奈美に対してリコンを強要していた…
他にも、コウスケは奈美と結婚したかったなどとわけの分からない言葉を言うていた…とも書かれていた。
メールを読んだ三田尻さんの息子さんが激怒した。
三田尻さんの息子さんは、両親にことの次第を話した。
それを聞いた三田尻さん夫婦が激怒した。
許さない…
小松崎の婿《ムコ》をやっつけてやる…
これにより、10月30日に予定していた挙式披露宴が中止になった。
時は、10月11日の朝7時頃であった。
毎朝、家にお迎えに来ていた三田尻さんの息子さんが来なくなった。
(多香子と美香子の)母親は不安な表情で言うた。
「あなた…遅いわねぇ…」
「そうだな…(三田尻さんの息子さん)くんはどうしたのかな?」
「そうねぇ…」
「もういい!!」
「どうするのよ…」
「キシャで行く!!」
(多香子と美香子の)父親は、ものすごく怒った表情で家を出た。
その後、最寄りの駅からJR京浜東北線と鶴見線の電車を乗りついで通勤した。
それから8日後であった。
不審に思った(多香子と美香子の)母親は、三田尻さんの家に電話をした。
(プルルルルルルルルルルルルルルルルルル…プルルルルルルルルルルルル…プルルルルルルルルルルルル…)
受話器のスピーカーから着信音が鳴っていたが、家の人は出なかった。
仕方がないので、(多香子と美香子の)母親は受話器を置いた。
それから数秒後であった。
(ピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロ…)
電話の着信音が鳴った。
(多香子と美香子の)母親は、受話器をあげたあと話をした。
「もしもし、小松崎でございます。」
受話器のスピーカーからいやみったらしい女性の声が聞こえた。
女性は、三田尻さんの息子さんの伯母《おば》だった。
「小松崎さん…湯河原町の伊保田《いほだ》でございます…うちは(三田尻さんの息子さん)の伯母《おば》です!!」
「えっ?(三田尻さんの息子さん)の伯母《おば》さまですか?」
三田尻さんの息子さんの伯母《おば》は、よりし烈な怒りをこめながら(多香子と美香子)の母親に言うた。
「小松崎の奥さま!!」
「なんでしょうか?」
「すみませんけど、ゴハイリョ願いますか!?」
「ゴハイリョ願いますか?…あの、ゴハイリョってなんでしょうか?」
「ゴハイリョと言う字を辞書で調べなさい!!」
(多香子と美香子)の母親は、困った声で言うた。
「もしもし、どうかなさいましたか?」
「奥さま!!あんたのムコのせいでオイゴは奈美さんとリコンすることになったのよ!!」
それを聞いた(多香子と美香子)の母親は、顔が真っ青になった。
「ええ!!…もしもし、どう言うことでしょうか!?」
「どう言うことでしょうかって…あんたのムコのせいで、オイゴが不幸になったのよ!!」
「すみませんけど、なにかの聞き間違いでは…」
三田尻さんの息子さんの伯母《おば》は、より強烈なイヤミを言うた。
「あんたのオムコさんは…仮出所中よね。」
「そうですけど…」
「仮出所期間中にストーカーをしたと言うことが表ざたになったらどうなるのか分かっているのかしら…」
「なんで恐ろしいことを言うのですか!?」
「まあいいわ…ここでやめておくわ…でも、ひとつだけチューコクしておきます…うちは数日前に興信所《コーシンジョ》にあんたのムコの調査を頼みました…今月中には調査の結果が出ます…その後、うちの知人の格闘家《オトコ》を連れておたくにうかがいます…それがイヤなら、三田尻の家に対してゴハイリョ願います…分かったら返事しなさいよ…ババァ!!」
(ガチャーン!!ツーツーツーツーツーツーツーツー…)
電話はそこで切れた。
三田尻さんの息子さんの伯母《おば》にイカクされた(多香子と美香子)の母親は、全身がブルブルと震えながらつぶやいた。
こわい…
こわいわ…
コウスケさんが…
奈美さんにストーカーをしていたって…
信じられない!!
それから90分後であった。
ところ変わって、コウスケが勤務している銀行の支店にて…
職員たちはヒソヒソヒソヒソと話していた。
こうすけが出勤した時であった。
こうすけは、職員たちからいびつないじめを受けた。
「おはよう…」
「来たわチャラ男!!」
「来た来た…」
従業員さんたちは、こうすけを見るなり『チャラ男が来た…』と言うて、いびつないじめを加えた。
それだけではなかった。
コウスケが座ろうとしていたデスクに貼り紙が貼られていた。
貼り紙には『早くデスクの整理しろよゲス野郎!!』と書かれていた。
職員たちからキツイいじめを受けたコウスケは、ワーッと叫びながら職場から出た。
職員たちは、ニヤニヤした表情で『ブザマね…』とつぶやいた。
ところ変わって、山下公園にて…
職場放棄をしたコウスケは、海をみながらつぶやいた。
つらい…
ここには、ぼくの居場所がない…
刑務所《ヘイのなか》に帰りたい…
もうイヤだ…
仮出所なんかするのじゃなかった…
シャバで生きて行くことがつらくなったコウスケは、ジボウジキにおちいった。
刑務所《ヘイのなか》へ帰りたい…
コウスケは、北陸の刑務所でフクエキしていた時に出会った受刑者《なかま》たちの名前を呼びながら泣いた。
ところ変わって、JR横浜駅西口にある広場にて…
この日、奈美と三田尻さんの息子さんは挙式披露宴の打ち合わせをする予定であった。
待ち合わせ時刻は、正午であった。
三田尻さんの息子さんは、待ち合わせ時間の30分前に広場に到着した。
時計のはりは、午後1時をさした。
三田尻さんの息子さんは、ものすごく困り果てた。
遅いなぁ…
奈美はどこへ行ったのかなぁ…
時計のはりは、午後2時半になった。
三田尻さんの息子さんは、奈美に対して次のメッセージを打ったあとメールを送った。
『職場からピンチヒッターで来てくれと言われたので、打ち合わせはまた今度にしよう…』
それから数分後に、奈美からメールが届いた。
『そうね…また今度でもいいわ…』
10月8日頃であった。
三田尻さんの息子さんは、奈美に対してより強い不信感を抱くようになった。
もしかしたら…
奈美は…
チャラい男と遊びに行ったかもしれない…
ダンナであるぼくのことをグロウしたから、許さない…
そう思い込んでいた時であった。
三田尻さんの息子さんのスマホにトクメイキボウと書かれたメールが届いた。
メールには、奈美にストーカーしているチャラい男が分かった…と書かれていた。
それから5分後に、またトクメイキボウのメールが届いた。
それによると、奈美にストーカーしているチャラい男はコウスケであると書かれていた。
コウスケが奈美に対してリコンを強要していた…
他にも、コウスケは奈美と結婚したかったなどとわけの分からない言葉を言うていた…とも書かれていた。
メールを読んだ三田尻さんの息子さんが激怒した。
三田尻さんの息子さんは、両親にことの次第を話した。
それを聞いた三田尻さん夫婦が激怒した。
許さない…
小松崎の婿《ムコ》をやっつけてやる…
これにより、10月30日に予定していた挙式披露宴が中止になった。
時は、10月11日の朝7時頃であった。
毎朝、家にお迎えに来ていた三田尻さんの息子さんが来なくなった。
(多香子と美香子の)母親は不安な表情で言うた。
「あなた…遅いわねぇ…」
「そうだな…(三田尻さんの息子さん)くんはどうしたのかな?」
「そうねぇ…」
「もういい!!」
「どうするのよ…」
「キシャで行く!!」
(多香子と美香子の)父親は、ものすごく怒った表情で家を出た。
その後、最寄りの駅からJR京浜東北線と鶴見線の電車を乗りついで通勤した。
それから8日後であった。
不審に思った(多香子と美香子の)母親は、三田尻さんの家に電話をした。
(プルルルルルルルルルルルルルルルルルル…プルルルルルルルルルルルル…プルルルルルルルルルルルル…)
受話器のスピーカーから着信音が鳴っていたが、家の人は出なかった。
仕方がないので、(多香子と美香子の)母親は受話器を置いた。
それから数秒後であった。
(ピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロ…)
電話の着信音が鳴った。
(多香子と美香子の)母親は、受話器をあげたあと話をした。
「もしもし、小松崎でございます。」
受話器のスピーカーからいやみったらしい女性の声が聞こえた。
女性は、三田尻さんの息子さんの伯母《おば》だった。
「小松崎さん…湯河原町の伊保田《いほだ》でございます…うちは(三田尻さんの息子さん)の伯母《おば》です!!」
「えっ?(三田尻さんの息子さん)の伯母《おば》さまですか?」
三田尻さんの息子さんの伯母《おば》は、よりし烈な怒りをこめながら(多香子と美香子)の母親に言うた。
「小松崎の奥さま!!」
「なんでしょうか?」
「すみませんけど、ゴハイリョ願いますか!?」
「ゴハイリョ願いますか?…あの、ゴハイリョってなんでしょうか?」
「ゴハイリョと言う字を辞書で調べなさい!!」
(多香子と美香子)の母親は、困った声で言うた。
「もしもし、どうかなさいましたか?」
「奥さま!!あんたのムコのせいでオイゴは奈美さんとリコンすることになったのよ!!」
それを聞いた(多香子と美香子)の母親は、顔が真っ青になった。
「ええ!!…もしもし、どう言うことでしょうか!?」
「どう言うことでしょうかって…あんたのムコのせいで、オイゴが不幸になったのよ!!」
「すみませんけど、なにかの聞き間違いでは…」
三田尻さんの息子さんの伯母《おば》は、より強烈なイヤミを言うた。
「あんたのオムコさんは…仮出所中よね。」
「そうですけど…」
「仮出所期間中にストーカーをしたと言うことが表ざたになったらどうなるのか分かっているのかしら…」
「なんで恐ろしいことを言うのですか!?」
「まあいいわ…ここでやめておくわ…でも、ひとつだけチューコクしておきます…うちは数日前に興信所《コーシンジョ》にあんたのムコの調査を頼みました…今月中には調査の結果が出ます…その後、うちの知人の格闘家《オトコ》を連れておたくにうかがいます…それがイヤなら、三田尻の家に対してゴハイリョ願います…分かったら返事しなさいよ…ババァ!!」
(ガチャーン!!ツーツーツーツーツーツーツーツー…)
電話はそこで切れた。
三田尻さんの息子さんの伯母《おば》にイカクされた(多香子と美香子)の母親は、全身がブルブルと震えながらつぶやいた。
こわい…
こわいわ…
コウスケさんが…
奈美さんにストーカーをしていたって…
信じられない!!
それから90分後であった。
ところ変わって、コウスケが勤務している銀行の支店にて…
職員たちはヒソヒソヒソヒソと話していた。
こうすけが出勤した時であった。
こうすけは、職員たちからいびつないじめを受けた。
「おはよう…」
「来たわチャラ男!!」
「来た来た…」
従業員さんたちは、こうすけを見るなり『チャラ男が来た…』と言うて、いびつないじめを加えた。
それだけではなかった。
コウスケが座ろうとしていたデスクに貼り紙が貼られていた。
貼り紙には『早くデスクの整理しろよゲス野郎!!』と書かれていた。
職員たちからキツイいじめを受けたコウスケは、ワーッと叫びながら職場から出た。
職員たちは、ニヤニヤした表情で『ブザマね…』とつぶやいた。
ところ変わって、山下公園にて…
職場放棄をしたコウスケは、海をみながらつぶやいた。
つらい…
ここには、ぼくの居場所がない…
刑務所《ヘイのなか》に帰りたい…
もうイヤだ…
仮出所なんかするのじゃなかった…
シャバで生きて行くことがつらくなったコウスケは、ジボウジキにおちいった。
刑務所《ヘイのなか》へ帰りたい…
コウスケは、北陸の刑務所でフクエキしていた時に出会った受刑者《なかま》たちの名前を呼びながら泣いた。