【改訂版】いらくさの家
第19話
処分保留でシャクホウされたあと横浜の実家に逃げ帰った多香子…
しかし、多香子の両親はものすごくイヤな表情を浮かべた。
多香子の両親は、多香子に老後の楽しみを奪われたことに対してよりしれつな怒りを高めた。
双方が激しく対立したことが原因で、話し合いができなくなった
多香子が実家へ出戻った翌日の朝10時40分頃であった。
ところ変わって、鶴見にある工場の自販機コーナーにて…
ベンチに座っている多香子の父親は、頭を抱えて悩んでいた。
この時、現場主任の男性が多香子の父親のもとにやって来た。
多香子の父親は『多香子が両親の想いに背いた…』と言うたあと大きくため息をついた。
現場主任の男性は、困った声で答えた。
「小松崎さんは、出戻りの娘さんがにくいのだね。」
「ああにくいよ!!ワシの老後の楽しみを根こそぎ奪い取ったから許さない!!」
「あなたの老後の楽しみを娘さんが根こそぎ奪い取った…」
「ああ!!…他にも、多香子が夫を殺した…その分も含めて許さない!!」
「娘さんが殺人事件を起した時、精神状態はどうだったの?」
「簡易鑑定《かんてい》の結果、心神喪失と判定された。」
「心神喪失…」
「ああ!!…多香子になにがあったか知らないが…人殺しをしたのにムザイホウメンでシャクホウはおかしい!!」
「もしかしたら、娘さんはダンナから暴力をふるわれていた可能性がありますよ。」
「さあ、聞いてないけど…」
「その場合、正当防衛が認められますよ。」
「だから、それも聞いていないんだよ!!」
「そうですか…」
現場主任の男性は、ひと間隔おいて言うた。
「小松崎さん、もうこの際だから家族関係を見直した方がいいと想いますよ。」
「家族関係を見直せだと!?」
「小松崎さんがおっしゃる老後の楽しみとはなんでしょうか?」
「老後の楽しみと言うたら、自由をマンキツすることじゃ!!…クルーズ船に乗って世界一周旅行を楽しみたい…多香子が選んだオムコさんと酒がのみたい…オムコさんにワシのぐちを聞いてほしい…そして…多香子が産んだ孫から『ジイジ、バアバ…』と呼ばれたい…孫にプレゼントを贈りたい…孫と遊びたいのだよ…」
主任の男性は、あきれた声で『他には?』と言うた。
多香子の父親は、怒った声で言うた。
「他にもまだたくさんあるのだよ!!…ワシは…老後に楽しみたいことがたくさんあるのだよ!!」
「お気持ちはよく分かりました…ですがその前に…」
「その前に、どうしろと言うのだ!?」
「今一度…」
「家族関係を見直せと言うのか!?」
「小松崎さん、あなたの娘さんは心身共にボロボロに傷ついているのですよ…あなたに娘さんの心の叫び声は…」
「聞こえていない!!多香子がどう言おうとワシらには甘ったれているとしか想えない!!」
「それではもうだめですね…あなたは自分たちの老後さえよければいいのですね…心が傷ついた娘さんは、どうなってもいいと言うことですね…」
現場主任の男性は、ものすごくあきれた声で言うた。
多香子の父親は、プンと表情でひねくれた。
時は、7月26日の昼前であった。
またところ変わって、多香子がかつて暮らしていた下妻にある公団住宅《だんち》にて…
「オラ出てこい三河島!!」
「わしらからたくさんゼニ借りておいて逃げる気か!!」
「ゼニ返せ!!」
多香子が暮らしていた部屋の前に、黒いサングラスをかけたリーゼント頭の男4人がいた。
彼らは、ヤミ金の男だった。
あきひこは、ヤミ金から5000万円を借りていたことがあきらかになった。
キンリンの住民のみなさまがヒソヒソと話していた。
あきひこがヤミ金から借り入れた5000万円は、競艇《フネ》で大負けしたCさんのために使われた。
特券で大当たりした大金を貯金しようと思ったら、周りから『男だったら、ドーンとかけろよ〜』と言われた…
周りがやれと言うたから大当たりした大金を全額かけた…
大失敗したので、あきひこに泣きついた…
それであきひこは、ヤミ金にてぇつけた…と言うことであった。
遠くにいる多香子は、ヤミ金の男たちが大声で叫んでいる様子を冷めた表情で見ながらつぶやいた。
あきひこはだめねぇ…
人から頼まれたことを次々と引き受けていたから…
肝心なところにおカネが回らなくなったのよ…
あきひこは、どうしようもないバカテイシュねぇ…
それから1時間後であった。
多香子は、かつて暮らしていた部屋に入った。
多香子は、部屋に残っている着替えとメイク道具と家の中にある金品類などを取り出したあと持って来たサックスバーの大型スーツケース2つに詰めた。
整理が終わったあと公団住宅《だんち》をあとにした。
その後、横浜の実家へ帰った。
しかし、多香子の両親はものすごくイヤな表情を浮かべた。
多香子の両親は、多香子に老後の楽しみを奪われたことに対してよりしれつな怒りを高めた。
双方が激しく対立したことが原因で、話し合いができなくなった
多香子が実家へ出戻った翌日の朝10時40分頃であった。
ところ変わって、鶴見にある工場の自販機コーナーにて…
ベンチに座っている多香子の父親は、頭を抱えて悩んでいた。
この時、現場主任の男性が多香子の父親のもとにやって来た。
多香子の父親は『多香子が両親の想いに背いた…』と言うたあと大きくため息をついた。
現場主任の男性は、困った声で答えた。
「小松崎さんは、出戻りの娘さんがにくいのだね。」
「ああにくいよ!!ワシの老後の楽しみを根こそぎ奪い取ったから許さない!!」
「あなたの老後の楽しみを娘さんが根こそぎ奪い取った…」
「ああ!!…他にも、多香子が夫を殺した…その分も含めて許さない!!」
「娘さんが殺人事件を起した時、精神状態はどうだったの?」
「簡易鑑定《かんてい》の結果、心神喪失と判定された。」
「心神喪失…」
「ああ!!…多香子になにがあったか知らないが…人殺しをしたのにムザイホウメンでシャクホウはおかしい!!」
「もしかしたら、娘さんはダンナから暴力をふるわれていた可能性がありますよ。」
「さあ、聞いてないけど…」
「その場合、正当防衛が認められますよ。」
「だから、それも聞いていないんだよ!!」
「そうですか…」
現場主任の男性は、ひと間隔おいて言うた。
「小松崎さん、もうこの際だから家族関係を見直した方がいいと想いますよ。」
「家族関係を見直せだと!?」
「小松崎さんがおっしゃる老後の楽しみとはなんでしょうか?」
「老後の楽しみと言うたら、自由をマンキツすることじゃ!!…クルーズ船に乗って世界一周旅行を楽しみたい…多香子が選んだオムコさんと酒がのみたい…オムコさんにワシのぐちを聞いてほしい…そして…多香子が産んだ孫から『ジイジ、バアバ…』と呼ばれたい…孫にプレゼントを贈りたい…孫と遊びたいのだよ…」
主任の男性は、あきれた声で『他には?』と言うた。
多香子の父親は、怒った声で言うた。
「他にもまだたくさんあるのだよ!!…ワシは…老後に楽しみたいことがたくさんあるのだよ!!」
「お気持ちはよく分かりました…ですがその前に…」
「その前に、どうしろと言うのだ!?」
「今一度…」
「家族関係を見直せと言うのか!?」
「小松崎さん、あなたの娘さんは心身共にボロボロに傷ついているのですよ…あなたに娘さんの心の叫び声は…」
「聞こえていない!!多香子がどう言おうとワシらには甘ったれているとしか想えない!!」
「それではもうだめですね…あなたは自分たちの老後さえよければいいのですね…心が傷ついた娘さんは、どうなってもいいと言うことですね…」
現場主任の男性は、ものすごくあきれた声で言うた。
多香子の父親は、プンと表情でひねくれた。
時は、7月26日の昼前であった。
またところ変わって、多香子がかつて暮らしていた下妻にある公団住宅《だんち》にて…
「オラ出てこい三河島!!」
「わしらからたくさんゼニ借りておいて逃げる気か!!」
「ゼニ返せ!!」
多香子が暮らしていた部屋の前に、黒いサングラスをかけたリーゼント頭の男4人がいた。
彼らは、ヤミ金の男だった。
あきひこは、ヤミ金から5000万円を借りていたことがあきらかになった。
キンリンの住民のみなさまがヒソヒソと話していた。
あきひこがヤミ金から借り入れた5000万円は、競艇《フネ》で大負けしたCさんのために使われた。
特券で大当たりした大金を貯金しようと思ったら、周りから『男だったら、ドーンとかけろよ〜』と言われた…
周りがやれと言うたから大当たりした大金を全額かけた…
大失敗したので、あきひこに泣きついた…
それであきひこは、ヤミ金にてぇつけた…と言うことであった。
遠くにいる多香子は、ヤミ金の男たちが大声で叫んでいる様子を冷めた表情で見ながらつぶやいた。
あきひこはだめねぇ…
人から頼まれたことを次々と引き受けていたから…
肝心なところにおカネが回らなくなったのよ…
あきひこは、どうしようもないバカテイシュねぇ…
それから1時間後であった。
多香子は、かつて暮らしていた部屋に入った。
多香子は、部屋に残っている着替えとメイク道具と家の中にある金品類などを取り出したあと持って来たサックスバーの大型スーツケース2つに詰めた。
整理が終わったあと公団住宅《だんち》をあとにした。
その後、横浜の実家へ帰った。