天使ちゃんの片想い。



 その間にも人様たちが行き交っていた。


 ニナはただ、立っているだけであった。


 「あれ」


 1人が、ニナの後ろ側を見てつぶやいた。


 「ナガシマじゃね」


 そう言った子の言葉に、ハッとした。


 「ウル…」


 ニナのつぶやいた声は、雑踏の中にかき消された。


 大きな車が車道に泊まり、おじ様が扉を開けると、綺麗な男の子が降りてきた。


 その瞬間、女性集団が湧きあった。
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