天使ちゃんの片想い。



 あっという間に、その男の子は女の子たちに囲まれた。


 みんなが「ナガシマ」や「ウル」と呼んでいたため、ニナが探し求めてきたその子だとわかった。


 でも、どうしたら良いのかわからなかった。


 ニナは、人様への扱いが全くわからなかったのだ。


 自分がどうしてここへ来たのか、それさえも忘れてしまうくらいに、躊躇していた。


 そのうちに、日が傾いていることに気づいた。


 眩しい。


 ニナは、そっと、目を瞑った。


 「…あれ、あの子は?」


 1人が言った。


 そこにニナはいなかった。



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