天使ちゃんの片想い。



 「誰も聞いてこないのに、あんた、変わってんね」


 ウルはほんの少しだけ笑った。


 「気になったから…」


 ニナは横並びになって、空に浮かぶ流れる雲を見ながら、呟いた。


 「あんた、俺のこと好きなの」


 「え?」


 「聞いただけ。本気にしないでよ」


 次は颯爽と、涼しくなった。


 ウルはまた、空を見渡した。



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