天使ちゃんの片想い。



 今、日本国は7月で夏という季節の中にいる。


 蒸し暑いと聞く時期なのに、その子のファイルからは、とても冷気が出ているような涼し気な風が吹いているように感じた。


 どうしてなのかと、気になった。


 ただ、それだけだった。


 まだ完成していないファイルに、違和感も覚えたニナは、手に取ったはいいものの、開けることをためらった。


 ナガシマウル…


 この子の心内を知ってもいいのだろうか。


 少し間を置いて、近くにあったソファへ腰掛けた。


 気になる…


 どうしても、この冷気とやらを、私の心で温めたいと思いを募らせ始めたニナであった。
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