天使ちゃんの片想い。



 少しの時間が過ぎた。


 風も吹いていたが、暑いのは変わらなくて。


 ただ、ニナはウルの横にいるだけで冷んやりと涼しくて、心地が良い気がしていた。


 そうしていたら、無言の時間が経ってしまっていたのである。


 「あんたさ、家族いないんだってね」


 ウルが言った。


 人間界でのニナは、そういった事になっていた。


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