天使ちゃんの片想い。



 そしてウルは続けた。


 「俺、一人が嫌いなんだよ、きっと」


 「なのになんでここにいるの?」


 つい、ニナは口走ってしまった。


 「そう、だよね」


 ウルは満面の笑みでニナに向かって笑いかけた。


 「一人が嫌いなのに、一人になりたい。俺だって、よくわからないよ」


 不思議な風が吹いた。


 暑い中に、冷たい筋の通ったものが。



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