天使ちゃんの片想い。



 ニナはまだ、人間界へ降り立ったことがなかった。


 どういったところなのかを、図書委員会の講義で幾度となく聞いてきたし、先輩天使様からもお話を伺ってきていた。


 ふくらむ妄想の中に、人間界へニナなりの夢をはせていた。


 天使様は言っていた。


 「人様にその羽を見られてはいけないよ」


 「天使だとバレたら、消えてなくなる」


 と。
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