天使ちゃんの片想い。



 「どうしたの」


 声をかけてきたのは、とても目を引く出で立ちをした女性集団だった。


 その派手さは他の人様とは変わっていて、他の人様が避けて通るほどだった。


 ぼうっとしていたからだろうか。


 真ん中に立っている女の子が、ニナに話しかけた。


 「迷ってるなら案内するよ」


 困ったことに、人様の言葉を発せるかわからなかった。


 だから、ニナは躊躇した。


 「…っ」


 「どうしたの?」


 右側の子が話しかけた。


 「困ってるの?」


 左側の子が、続けて話しかけた。


 人様は、優しかった。
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