真っ白な恋をしてみせる。


サッとわたしを後ろに隠れさせる
王子様、流羅君。


高身長な上にシャツから香る柔軟剤の匂いがくすぐったい。

「な、なんで流羅が…」


驚いた上に自分のした行動に今初めて恥ずかしくなったのか、
バツが悪くなった顔をする、
顔を紅潮させる幸也君。


「白沢はお前とは付き合わないって言ったんだ。
恋人以上の距離になるつもりないだろ。」


「..幸也!!」


ここでマコ登場。完全に男の方は地雷踏んだ。

「いや…なんでもねぇよ…。」

幸也くんが机に突っ伏し顔を隠す。

「なんでもないわけないでしょ!!」


「わ、私が付き合わないって言ったの…!」

「勝手なことしないで!付き合わないのわかってるから!!

幸也は軽々しく女遊びするだけで本命とは絶対別れないって

公家系男子だからいいの!!」


いま、白々しく軽い女って思われた?

認定されたよね?

必死に慰めているマコ、という女子と、幸也、くん。

「行こ」


「...!」

王子様に連れられ、何もない河原の裏へやってきた。


スーツ着ている中肉中背の男性がタバコ吸ってそうな場所だ。


「ゆ、幸也君の一件も、い、いじめの件も
解決してくれてありがとう…。」


「別に。
みてたら腹たってくるから注意しただけだし。」


行動もイケメン、言動もイケメン…
いや、正義のヒーローはいつもクールオブビューティーなのか。

私は…守られてばっかだ…

何も変わってない…。

フェンスに手を翳す。

「わ、私…いつもこんなんだから…勘違いとか誤解受けやすくて…」

「モテる特権じゃね?」


翻す言葉に私は目を丸くした。


「揶揄われんのも、言い草つけられんのも、噂の的になっちゃうのも。ぜんぶひっくるめて特権な訳。
男も女も関係ない!!人は助け合ってこそ、人間なんだから!!」

み、みつ丸さんみたいなことを言う…

流羅くんに負けないようにかっこいい女子になれるかな。
ソフトクリーム女子って言われるけど、逆さにしても落ちない強い生クリームみたいなのになりたいかな。

コンビニのアイスとかまさにそうだよね。クリーム硬いよね。…って、説明分かりづらいか。
強靭な精神力を手に入れたい。

仏かって言われちゃうぐらいに…
それは目指すものが違う気がするか。出家しないといけない
もんね…。難しい。例えが…
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