優しい死神
「え…?」
このまま地面に落下すると思っていたので、誰かに体を包み込まれた。
「危なかったね」
「誰…?」
「はじめまして、俺は死神。君の命を狩りにきたよ」

死神…?
命を狩る…?
何言ってるのこの人。

「ま、命を狩るってのは冗談として」
死神と名乗った少年は、私をベランダにおろした。
「死神っていうのは本当だよ。君、本当に死ぬ気?」
「…そんなの貴方には関係ないでしょ」
「ダメだよ。君はまだ死ぬ予定じゃないんだから。自殺なんてされたら困る」

「だからそんなことあなたには関係な…」
「いいや、関係あるんだ。近頃、若い子の自殺が多くてね、天界でも天使たちが困っているんだ。この状況をどうにかしろってね。そこで俺たち死神の中で自殺防止の部署が作られたんだよ」
< 2 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop