優しい死神
死神でも仕事しなきゃいけないんだ。
そんな呑気なことを考えていると、
「と、言うわけで君に死なれるわけにはいかないんだ。ごめんね」

私は諦めて部屋に戻った。
「ところで、なんで死のうとなんかしてたの?」
「私、学校でいじめられてて、親にも相談できないし、学校に友達もいないから」
死神が内ポケットから何か取り出した。
「じゃあ、これつけてて」
「何これ?」
アクセサリーのようなもので、小さな宝石がついていた。
「この水晶が、君の中にある悪い気を吸い取ってくれる。特に今夜は満月だから、いつもより効果が強力になるはずだ。今夜はこれをつけて寝るといいよ」
そう言って消えてしまった。
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