唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 確かにエンラダはファンに一切媚びないグループだ。


 
 4人ともお金持ち。

 エリートアルファ御曹司の集まり。

 それぞれの親の会社がエンラダのスポンサーだから、一般の人からお金をとらずに活動がきるらしい。



 ライブ中にファンサもなく

「アイドルらしくない」と罵られようが

 自分達の信念を曲げずに好き勝手アイドルをしている。

 


 一部のアンチを除いて、エンラダは世間に受け入れられているのは知っているけれど、問題はそこじゃなくて……
 


 「いるんです……私に……」


 「ん?」


 「婚約者が……」


 「へーそうなんだ。まだ高校生なのに今どき珍しいね……って、はぁ? 婚約者って言った? 俺の聞き間違いだよね?」




 時間差で理解したんだろう。

 浮かべた王子様スマイルが、瞬時に凍りついている。


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