唯都くんは『運命の番』を溺愛したい



 えっと……



 はい?!

 予想外の提案にびっくりして、涙腺が閉まる。



 「外にマネージャーを待たせてある。車で家まで送ってあげるよ」


 「いえいえ大丈夫です、なんとか帰れますから」



 お金を持ってない。

 ここはどこか全くわからない。

 でも唯都様に迷惑をかけるわけにはいかない。



 「遠慮しないの」


 「本当に大丈夫で……」


 「そのかわり君のご両親に伝えたいことがあるんだ」



 あれ? 唯都様が怒っているような……

 ニコニコだけど、声のトーンが不気味なほど低すぎるような……



 「琉乃ちゃん安心してね。世界一優しい王子様になりきってご両親のメンタルをめった刺しからのズっタズタに切り裂いてあげるからね」



 え、、、ええぇぇっ!



 メンタルをめった刺し? 

 ズっタズタに切り裂く?




 見た目は優雅な王子様。


 ステージでは大人気アイドル様。


 そんな彼に、とんでもない魔王様が乗りうつっちゃったんですけど……







< 104 / 369 >

この作品をシェア

pagetop