唯都くんは『運命の番』を溺愛したい
「ちょっと我流ひどい。今やめようと思っていたのに」
「勉強しろってうるさい親に今しようとしてたのにってわめきちらす、思春期に片足突っ込んだ小学生か」
「いきなり返事が来ないってなったら、琉乃ちゃんを心配させちゃう。俺のスマホ返して」
「運命の番は気配りができる天使だって、唯都はオレたちに自慢ばっかしてるよな?」
「聞いて我流、琉乃ちゃんってほんと可愛くて優しくて気遣い屋さんで」
「……はぁ、また始まりやがった」
「いつも電話の時、俺の体の心配をしてくれるんだよ。睡眠はとれてますか?とか、ちゃんとご飯食べてますか?って」
「それ、彼女じゃなくて母親ポジな」
「親よりも俺を愛してくれてるんだって思ったら、琉乃ちゃんがお姫様として一生幸せに暮らせるお城を、建ててあげたくなっちゃった」
「ニヤニヤやめろ」
「ドレス何色が似合うかな?」
「……マジどうでもいい」
「今日のコンサートで俺色のペンライトを振ってくれるって言ってたから、赤が一番似合うオメガでいて欲しいな」