唯都くんは『運命の番』を溺愛したい
「オマエのノロケや妄想を拾うために、俺の耳の穴が開いてんじゃねーんだけど」
「疲れてないですか? 頑張りすぎないでくださいねって労わってくれて。俺にはもったいないくらいいい子なんだよ。謙虚なとこも可愛くて。守ってあげたくて。なんであんな心清らかな子が俺の番なんだろう? 勘違いじゃないよね? 実は番じゃないって神様に言われたら俺、神様の首しめちゃうよ」
「んじゃ大丈夫っつーことで、めでたしめでたし」
ん? どういう意味?
話を締めくくろうとしてるのか、我流がゴツゴツした手をパンと鳴らしたけど……
「気配りができる最高の彼女ならスマホに返事が来なくても、本番前で忙しいんだろうって察するわな。その番の性格が本当に天使なら」
「琉乃ちゃんは天使ですけど」
「だから問題ないって話」
「まぁそうだけど、最後に一言だけ送らせて」
「あー、わかったわかった」