唯都くんは『運命の番』を溺愛したい
「ペンラ、まだ消さないで」
レンズの奥にある、陽だまりを溶かしたような瞳に見つめられ
「忘れないでね。これが琉乃ちゃんに恋焦がれる俺のハートの色だよ。琉乃ちゃんのハートも俺色に染まりきってくれますように。願いを込めて」
口元をふんわりと緩ませてから、私の手のひらにチュッ。
柔らかい唇を押し当ててきたんだもん。
ひゃっ、無理!
ファンからの熱狂を浴びていたアイドル様ご本人の湿ったぬくもりに全神経が悲鳴を上げ、慌てて席から立ち上がっちゃった。
私をからかっているのかな?
唇に拳をそえ、クスクスと笑い声をこぼしている唯都様。
「ダメでしょ、目立つことなんかしたら」