唯都くんは『運命の番』を溺愛したい
立ち上がったと思ったら、私をシートにもう一度座らせた。
「琉乃ちゃんは会場に残っているお客さんに暴露したいの? 私の運命の番はエンラダの唯都ですって」
そして私を閉じ込めるように、シートの背に両手をついてニヤリ。
「いいよ、今からステージに二人で上がろうか」
「え? まままっ待ってください。目立つとかそういうのは……ちょっと……」
恥ずかしさで潤む目元。
見られたくなくてうつむいていたら、ギューと甘い熱に包まれた。
「俺のこと嫌いにならないでね」
「……」
「琉乃ちゃんがいない未来なんて、心臓を動かす価値すらない」
私を抱きしめる唯都様の腕に、力が入る。
「ずっと俺だけの灯でいて。俺の心臓が止まる日まで」
切実な声とともに、私のほほに唯都様がほほを押し当ててきたから
ドキドキが手に負えなくなって
目の前がぐるぐる回りだして
「ぜぜっ……善処……します……」
よくわからない言葉をもらしてしまいました。