唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 わわわっわたし今、お姫様抱っこをされているんじゃ?!


 じゃ?じゃないよ。

 間違いなくされている。

 ステージに向かって唯都様が歩き出しちゃったし。



 「おおおっ、下ろしてください」


 「フフフ、ダ~メ」



 声甘すぎ。

 楽しそうに開いた口元が色っぽすぎ。

 私の推し、カッコ良……

 なんて、お姫様だっこ状態で見とれている場合じゃなかった。



 「私が重たすぎて、唯都様の腕が疲労骨折しちゃったら……」


 「責任を取って、24時間俺の世話をしてくれる?」


 「え?」


 「嬉しいな。俺の体、隅々まで洗ってね」


 「ひゃい?! あああ……洗う? かっかか……」


 「顔真っ赤。大理石のお風呂で二人きりなとこ、想像しちゃった?」


 「ちちち、違うんです……顔面温度が上がっちゃうのは、その……」

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