唯都くんは『運命の番』を溺愛したい
言葉を発すれば発するほど、落ちてしまう視線。
自分でも何を言っているのかわからない。
我流はもっと意味がわからないはずだ。
それなのになぜこの男は、いつもみたいに怒鳴らないんだろう。
陽気に俺の肩に腕を回し、腕で顔を挟み、乱暴に俺の顔に頭をぶつけてくる。
「勝手? 上等じゃねーか!」
「え?」
「俺たちエンラダは、ワガママで自己中な傲慢アイドルだ」
「……」
「世間に批判されようがネットで叩かれようが無視しまくって、やりたいようにアイドルを続けてきた」
「……」
「車の中のオマエへの忠告も、思い返せば『我流が言うなって!』ってキレられても文句言えねぇやつだったよな」
「……そんなことない」