唯都くんは『運命の番』を溺愛したい
我流のおかげで気づくことができた。
借金の肩代わりという借りを琉乃ちゃんに背負わせた俺の行動は、愛じゃなかった。
彼女を独占するための手段で、琉乃ちゃんを追い詰めてしまっていた。
「俺が他人から文句言われたら思うわけ。『うるせー、俺の人生だ。割り込むな。好きに生きさせろ!』って。なのにオマエに口うるさかった、悪かったよ配慮が足らんくて」
そんなことはない。
「……我流は……正論しか言ってないから」
「正論なんて俺が大嫌いな言葉だったわ。どこぞやの集団が勝手に良いと思い込んでることを、正論や常識って言葉で他人に押し付けてくるからほんとムシャクシャするし。無責任に非難しやがってだよな。俺も嫌な奴やってたわ。唯都、マジごめんな~」
俺の首を羽交い絞めにしながら、なんで笑っているの?
ごめんごめんって、キャップの上から俺の頭をポンポンしてきて。