唯都くんは『運命の番』を溺愛したい

 蹴られたお腹がいたい。

 強く引っぱられている頭皮も。

 太い縄がきつく食い込む腕も。

 ハートまでもが激痛に襲われ、床にお姉さん座りで涙がこぼれそうになる。



 理亜ちゃん、なんでこんなことをするの?

 私の双子のお姉ちゃんでしょ?



 唯都様が私のことで父と母に怒った後、理亜ちゃんは私に謝ってくれた。

 『今まで酷いことをしてごめんなさい』

 許しを請うように大粒の涙をボロボロこぼして。

 唯都様がプレゼントしてくれた白いレースのチョーカーも、大事そうに手に乗せて私に返してくれた。



 嬉しかったんだよ。

 心から反省している様子だったから。

 時間はかかりそうだけど、昔みたいな仲のいい双子姉妹に戻れるかもって思ったし。


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