唯都くんは『運命の番』を溺愛したい
もちろんすぐに馴れ馴れしくなんかできなかった。
お互いまだ、どんな距離感で接していいか手探りな日々。
でも顔色を伺いながらも挨拶を交わしたり、たわいもない会話を飛ばし合ったり。
ちょっとずつ姉妹の仲が進展してるのかなって、最近の私は嬉しさを噛みしめていたのに。
車で眠らされたあとに連れてこられたこのチャペルに、なぜ理亜ちゃんがいるの?
私のことを、妹として受け入れてくれたんじゃないの?
ねぇ理亜ちゃん、本当のことを教えてよ。
理亜ちゃんは私の前にしゃがみ込んだ。
手にはまだ、私のポニーテールが乱暴に握られたまま。
思いきり上に引っぱるから、髪が束で抜けそうなほどの激痛がこらえきれない。
「……っ、やめて理亜ちゃん」
「ほんとムカつく! 不細工なくせに! 唯都くんに選ばれて!」
「痛いから、髪をはなして」
「この顔のどこがいいわけ? 私より出来の悪い琉乃が選ばれるなんてありえないでしょ!」